純和風なライフスタイルをより快適に実現するために
曲線の切り妻屋根が連続する均斉の数寄屋住宅
外 観
玄関付近から見た風景です。手前の本屋根の下は玄関の土庇、その向こう側の低い屋根は座敷き縁の庇屋根、その上に少しだけ西に延びる屋根は二階の本屋根になります。軒先きの簾は葦、連続して均斉を取ながらの軽快で上品な構成となっています。

数寄屋の草の形式を保ちながら周囲の環境やその優雅な個性を表現してゆく、壁ちりを決め、化粧材の遍芯をとらえ、瓦の連続性をうまく合わせるよう、さらに屋根の軒樋のアンコウの配置など、ひとくちでは語れない要素をほぼ同時に考えながら進めます。現代数寄屋住宅の実務設計の醍醐味はこんなところからスタートして行きます。 さて、草の建築には心の曲割りがあり、この部分を語るとき、庭園の計画もほぼ同時に考えなくてはなりません。室町の作庭記の時代から現代まで、その巾は段々狭くなり、また庭園の密度も高度になってきました。建築物は静の造形ととらえ、庭園は緑の躍動する動と考えます。環境という名の舞台のなかで、ひとつの住いの調和をよりゆたかに、そしてより自然なものにすること、環境にやさしい建築とは、日本人が過去から受け継いできた、その質を極めた表現のなかにあり、街並に存在感と安らぎを与え続けることが出来、歳月に彩 られることまさに、完成された造形の美学ではないでしょうか。
玄 関
現代数寄屋住宅の玄関の様子です。外観編の3と4で紹介してある家の玄関から坪庭方向を撮影したものです。右手の黒い部分は留め漆の色調でつや消し仕上げの沓入れとなっています。ここは玄関引き戸を開けた真正面 に坪庭が見えるよう計画されたいます。ホール部分床板はけやきの一枚板を目を揃えて4枚で貼りあげ、壁は京壁、襖は越前手漉き鳥の子の無地、手前天井は網代組角一松、廊下天井は秋田杉の本柾化粧合板、昼間奥の緑が映えるよう全体を暗くしてあります。この空間は庭園が季節で彩 りを見せその感性が主役となるように構成されています。 内と外を継ぐという日本建築ならではの伝統的手法が再現されています。四季の感性を空間に取り込み一体のものとして享受する。環境にやさしいということはこの自然との関わりをどう理解しているのかに関わっています。伝統的に残って来たものには、それなりの理由があります。古典というのは輝きが時代をこえているからなのでしょう。まだまだ学ぶことは多いですね。
居 間
数寄屋住宅の居間、食堂、台所を紹介します。外観編3/4と同じ住宅の居間、食堂、台所になります。写 真の部屋は広さ8帖あり中央部分は掘りコタツのある一般的な機能そ備えた和室です。正面 左側の部分には仏壇が備わる場を用意、その上の竪の筬欄間は空調の目隠しとしてけんどんで納っています。正面 窓障子は吹き寄せの紙貼障子で、隠しかまちの納りとしてあり、さらに壁収納式の形態でもあります。(両壁へ引込み)照明は低めのブラケットと建築化照明を採用してあります(弐_和風食堂を参照)。この居間と続いて食堂、台所へと連続した部屋の構成となっています。左手の間仕切襖は天井高さ同寸としてあり、さらにその3本が壁に収納されます。
 
 
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