福祉住環境工事・事例2
交通事故のため下肢全廃となり、在宅復帰する ための住環境整備工事

■ 改修の目的
1. 家族が楽に介護できる環境整備。
2. 家の中や外を自由に移動できる環境整備。

■ 面談・現場調査
一年前に交通事故にて県外の救急病院で7ヶ月入院し、県内の病院にて3ヶ月入院しながら機能 回復訓練を行う。体調も良くなりようやく帰りたかった我が家であるが、現在の自宅では移動に おいても不便で、自宅で介護などできるわけもなくどうしたらいいか悩んでいる。

■ 要望の整理
自宅では主に介護するのは非力な奥様と娘さんである事から、楽に介護が行えるようにしたい。 お風呂にも入れてあげたいし、居間で家族みんなで昔の様に一緒に一年前の普通 の生活をしたい。 また天気のよい日は外へ連れていってあげたい。

■ 生活動作の検討
入浴や車いすでの散歩以外は一日中ベッドの生活である。 現在排泄はベッドの上で行っている。現在入浴は病院で奥様の介助で週3回行っている。

■ 建築面の確認・検討
築40年の平屋建で、続きの6帖の和室が二間ある。玄関は引き戸であり廊下も3尺と狭く、床もきしんでいる。廊下にも曲がってこなくてはならない箇所がある。 現状では段差もあり、車いすでの室内移動は困難を極めそうである。 浴室も北側で寒い位置にあり、段差もあり昔ながらの日本家屋である。

■ 改修にかけられる費用
交通事故であることから、全て損害保険会社からの支払いである。

■ 改修工事内容
専用居室は既存の和室二間の畳をフローリングに変更することにより、車椅子での移動の確保とベッドの導入を図った。間仕切りの建具は温熱環境やプライバシーも考慮し 高さ調整のみとした。 浴室は既存浴室をユニットバスとした、これは寝室からシャワーキャリー(分離型)で移動し固定式リフトにより浴槽へ入る事を想定した。リフト設置にあたってはリフトの機種選定、足を曲げる事が出来ないため、浴槽の形、分離型のキャリーの選定や、オプション部品、操作製等様々な角度からの検討が必要であった。 居間への移動については廊下の角の撤去が必要となり、床から1.800mmまでを切りかき、天井等余分な工事は行わない様にした。 外へ出るために2.550mmのスロープで無理のない勾配とした。

■ 生活上の改善点と評価 退院日の前に病院のセラピストが来てそれぞれの動きやリフトや車いすの使い勝手を確認した。 一番心配していた入浴介助であったが、リフトや分離型のシャワーキャリーのおかげで体に負担が少ない介護ができる様になった。また和室をフローリングに変えたおかげでベッドや車いすの設置や動きがスムーズに行えている事や、廊下の角を撤去し、車いすで居間や天気のよいときには外へ散歩にも行けるようになり、思った以上に 負担の少ない介護が可能となった。 福祉用具には様々な種類があり、使い勝手や性能、或は介護力との整合性をよく図ったことにより 笑顔のある在宅介護ができる自信が少しづつではあるがついてきた様に思う。
詳しい図面はこちら
玄関・車椅子用スロープ
廊下の一部を角を取り車椅子の動線確保
バリアフリーの居間
改装前の浴室
改装後の浴室
入浴のための補助器具も設置された
 
  Copyright (C) 2007 ITO corp. All Rights Reserved.