福祉住環境工事・事例1
介護力の軽減と、在宅での生活目標を 可能にする住環境整備工事

■ 改修の目的
1. 家族の介護負担を減らしたい。
2. 本人の生活目標を達成したい。

■ 面談・現場調査
養護学校へ通う18歳の女性である。現在自宅では両親と祖母との4人での生活であり、閑静な住宅街に 位置する。約250坪の敷地に立派な庭もあり駐車場も広く静かな環境である。
■ 要望の整理
平日本人は母親の車で毎日学校へ通っている、帰りは15:00頃学校の車で家まで送ってきてくれると いう生活パターンである。18歳となった本人も身体的に成長し、母親だけの介助だけでは限界も感じられ、 家での日常生活動作や出入りなどは大きな負担となってきた。 このため入浴、排泄、出入り等、移動をスムーズにし、出来る事は少しでも自分で出来る様にすると同時に 日常生活動作の介助の負担軽減したい。

■ 生活動作の検討
室内では座位の保持が不安定であり、排泄及び入浴などほとんどのADL(日常生活動作)は全介助である、 学校へ出かける時は母親の介助により、相当大変と思うような移乗動作で車いすに乗せてワゴンタイプ のスロープ式の車に乗り込んでいるというかなりの重労働である。

■ 建築面の確認・検討
東側の連棟で2階建の母屋があり、図面は後に増築した平屋に両親と生活している。 玄関から西側に日当りのよい居間兼食堂があり、普段本人ははここでパソコンなどをしている。 現在入浴は母屋で行っているが、体も大きくなった本人を介助して入れるのにはかなり無理もある。 また便所であるが、開きドアで狭く、介助などは出来ない状況であり廊下も狭く移動にも支障がある。

■ 改修にかけられる費用
身体障害者居室整備資金の利用と、まかないきれない部分は自費である。

■ 改修工事内容
介助を軽減する目的で浴室を新設し、入浴は車いすで移動するため開口部が800mmと広く短辺方向からの計画とした。便所は寝室に近く、居間から直線的に移動する事ができる様に配置し、介助がゆったり行える様スペースも1坪とし、入口も三枚引き戸で850mmの開口巾とした。 また出入り方法については、出入りの頻度や高さを考えて、専用居室から直接駐車場へ出れる様 油圧リモコン式の段差解消機を設置した。

■ 生活上の改善点と評価
介助する側も子供とともに年齢を重ね、言葉にも出ず目に見えない負担が潜在的にあった事は大きな ストレスとなっていた。 今回はかなり大掛かりな工事であったが、これから先の事を考えると今やってよかったと考える 横方向の移動環境は引き戸の多用や直線的な配置動線計画で、また縦方向の移動環境においては 浴室へはバスリフト、外へは約60cmのストロークをカバーする油圧リモコン式段差解消機の設置の おかげで相当量の介助が楽に、しかも安全に行えるようになった。 幼年期の頃と違い、心身の成長と共に介助に負担がかかってくる時期でもあった。 互いに笑顔が見せ合う事の出来る住環境整備が出来、生活にも「元気」がでてきた。
施工前
施工後
詳しい図面はこちら
油圧式段差解消機
油圧式段差解消機
洋間から浴室・トイレへの動線
リフトを取り付けた浴室
車椅子のまま使用できる洗面ユニット
車椅子のまま入れる広いトイレ
 
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